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森やテレジン（チェコ共和国にあるナチスによる強制収容所）から命の開花を求めて、一心不乱に描いている。

頭上に見える月までの距離は、およそ38万㎞。手のひらに掬（すく）った水に映る月までの距離は？などと考えつつ「水鏡」をモチーフに描いています。白く浮かぶのは木の葉越しの空の形。次に映るのはどんな景色だろう。

作品を器と内容に分けるとすれば、再起動の器として「終わりのない、ループする構造」、内容として21世紀に生きる人間の戦慄と高揚の感情を湛えた空間表現を目指しています。

R293美術展2012年より参加

「泥臭い絵！でもそんなあなたが好き！！」そんな絵の中のワン・ニャンたちの会話が聞こえて、私は笑っちゃう。目指すのは透明な光の中に溶け込んでゆく線。

日常を無欲に淡々と生きようとする。しかし個体の寿命はあまりにも短すぎて社会の刹那の出来事や現象に翻弄されて過ごし続けることになる。常に胸はさざめきどよめく。でもやはり淡々と生を繋げていきたいのだ。

空間は見つめる者を脅迫するかのようだ。虚構のようでいて圧倒的な存在感。それは大谷石採掘場後の地下空間で私を拘縮した。底知れぬ穴を覗いた時の不安、闇の恐怖、深すぎる青空を仰ぐ時の眩暈に似た孤立感。その気配のようなものが私を苛む。それを描いていきたい。

言葉では表現しきれない、心の中のザワザワを点と線と色、あるいはカタチで表現しています。

20代の始め絵画をゼロポイントから始めるつもりで黒い点の羅列を始める。次第に色彩が加わり色点の集合と離散の画面になり、現在に至る。

ひとつの答えだけではなく、様々な答えを流転するばかりの自分にも、安らぎを見いだせる自分が居る。　表現、その行為の実際に導かれ、いつしか他人と見分けがつかなくなるとも、本懐は寧ろ　そこに閉じ込められている。次への扉は手つかずの　過去の扉でもある。

1969年。彫刻の森美術館（箱根）に出品したデビュー作「WORK」は、エルボーパイプを連続構成したものでした。それから50年。今回の作品はエルボーパイプの解体再構成です。思えば長い螺旋階段を歩いて来ました。